SYVP への応援メッセージ

研究活動に衝撃を受けると同時に、自身が目指す方向性を見出しました

森原大紀(三幸学園飛鳥未来高校広島キャンパス 教諭)

私は、多くの社会問題の根底は「無知」もしくは「無関心」にあると考えています。

私は現在、通信制高校の教員として勤務していますが、その前は全日制の教員として勤務していました。その頃、通信制高校やそこに通う生徒たちを色眼鏡で見ていました。

しかし、実際に通信制高校に赴任をして、また生徒たちと触れ合ってそれまでの考えは一変しました。それまでの私は「無知」であるにも関わらず物事を一方的に判断していました。

今では「不登校」や「非行」などについて、なぜそのような事が起きるのか、どのように解決に導けばいいのかを考えるようになりました。

「学校が嫌だから」「社会に適応できないから」という単にレッテル貼りをするのではなく、『なぜこのような事が起きているのかを多くの人にまずは知ってほしい』と願っています。

これは「移植医療」に関しても同じと言えます。

私は数年前、特発制拡張型心筋症という難病にかかり、現在は補助人工心臓を装着し心臓移植待機をしています。

私自身このような状況になって初めて「臓器提供の意思表示率の低さ」や「臓器提供数の少なさ」を知りました。

そして、その事で多くの方が命を落とし、小さな子ども達が日本では助かる見込みがないため、巨額の寄付を募り海外渡航をしています。

これはまさに日本が抱える大きな社会問題と言えるのではないでしょうか?

このような現状を「デリケートな問題だから」、「日本人特有の宗教観だから」で片付けて良いのでしょうか?

「YESでもいい、NOでもいい」とあるように、移植医療には4つの権利が存在し、一定の知識を得た上での結論はどのようなものであっても尊重されるべきだと思います。

しかし、もし多くの人が単純に移植医療に関して知らないだけだったとしたら。。。

この社会問題を解決するために自分ができることは何だろう・・・と悩んでいたときに出会ったのが、同志社大学瓜生原研究室のSYVPの活動です。

移植医療とは全く関係のない学生たちが、「臓器提供の意思表示率の低さ」という「社会問題」に着目し、それに対し『マーケティング手法を用い、無関心層の行動変容を調査・研究をする』という活動に私は衝撃を受けると同時に、自分が目指す方向性が見えた気がしました。

実際に学生らの研究発表会に出席し、その調査結果や手法を、私の地元である広島での活動に活かしています。

また、私の高校の生徒たちは瓜生原研究室の大学生たちとの出会いを通じ、どうやったら「移植医療」や「献血」などに興味・関心を持ってもらえるかを、自発的に議論をするようになりました。

この行動変容の研究は、単に「臓器提供の意思表示率の低さ」という枠を超えて、将来的に全ての社会問題に通じるもので、その意義はとても大きいと考えています。

この研究が日本が抱える多くの社会問題の解決の一助となることを信じています!

SYVPの3つの魅力

岡田彩(金沢大学国際基幹教育院・准教授)

★その1-ソーシャル・マーケティングを実践!

私たちの社会には、「交通ルールを守る」「分煙する」「リサイクルする」など、多くの人々が「その方が世の中のためになる」と頭では考えていても、実際には「行動に移さない・移していない」ものが数多くあります。「分かってるけどね・・・」という人の行動を変化させるには、どうしたらよいのか。これは相当な工夫が求められるチャレンジです。

SYVPが取り組んでいる「臓器提供の意思表示」という社会的課題も、多くの人が「頭では分かっている」問題ではないでしょうか。

YesでもNoでも、意思表示することで、残された家族の負担を減らすことができる。そしてYesを選んだ場合には、誰かの命をつなげることができるかもしれない。多くの方が「それはそうだろう」とおっしゃるのではないかと思います。

しかしながら、意思表示している人は、わずか12.7%に過ぎません。

残り87.4%の行動を変えていくために、どんなアプローチをしたら良いのでしょうか。

SYVPは、ソーシャル・マーケティングの理論・戦略を実践することで、この大きな壁に挑んでいます。

ソーシャル・マーケティングとは、『社会的な利益のために人間の行動変容を促す戦略やノウハウ』を指します。

ソーシャル・マーケティングを学べる日本の大学は、決して多くありません。さらに、実践の経験まで積める場は、瓜生原研究室のSYVP以外にないのではないでしょうか。

 

★その2-大学生が主体!

大学生が主体となって、ソーシャル・マーケティングを実践している点も、SYVPの大きな魅力です。

もちろん、経験豊富な専門家のアイデアは貴重ですが、多くの人が「頭では分かっている」「何度も聞いたことがある」イシューについて、人々の心を刺激し、行動変容を促すためには、『新たな風』も重要ではないでしょうか。

大学生ならではの斬新なアイデアは、「臓器提供の意思表示をする」「交通ルールを守る」など、「古くて新しい問題」にこそ、必要な視点であると思います。

大学生が主体ということは、ある一定期間でメンバーが入れ替わるということでもあります。

SYVPが立ち上がったばかりの頃、経験やノウハウが次世代にきちんと伝わっていくのか、正直なところ懐疑的でした。

年度が変わる度に、新たなスタートとなってしまっては、あまり意味がないのではないか・・・そんな風にも考えていましたが、研究交流会に参加するたびに、無用な心配であると感じています。

メインとなる学部3年生が、短い時間で先輩の代の経験やノウハウをきちんと把握し、これを踏まえた議論を展開しているのです。

 

★その3-研究と実践の融合!

SYVPのもう一つの魅力は、『研究(理論から仮説導出)→実践→研究(分析)』の流れが確立されている点にあります。

「実践しっぱなし」が、ほとんど見られません。

ソーシャル・マーケティングの知見を実践に移したら、今度はその結果を研究の視点から分析し、成果をまとめています。それも「感想文」に終始せず、多くの場合には統計的処理を施し、ある程度の説得力を持ったものばかりです。

こうしたアクション・リサーチが行われているソーシャル・マーケティングの大学研究室は、非常に貴重です!

SYVPの皆さん、是非、誇りをもって邁進してください!

誰かの、みんなのためになると信じ活動されていることの意義

加藤 みゆき(NPO法人 日本移植未来プロジェクト・理事)

膵腎同時移植者の加藤みゆきです。

いつも皆さまのご活躍を大変有り難く感じています。

なぜなら、医療関係者ではない学生の皆さまが、臓器提供意思表示について社会に発信してくださることはとても大きな意味があるからです。

私は移植者ではありますが、有り難いことにたくさんのドナーファミリーの方のお話を伺う機会に恵まれました。

どの方も必ずおっしゃるのが、

「まさか自分の大切な家族がいきなりこんなことになるなんて、自分が臓器提供について決めなくてはいけなくなるなんて夢にも思わなかった」

「突然の絶望の中での決断には、本人の意思を知っていることが必要」

ということです。

なぜなら、その時は突然訪れ、悲嘆にくれる中での決断において、ご本人の意思を知らぬ状態での決断には、僅かにでも、「本当にこれで良かったのか?」という迷いが生まれ、後々まで残るからです。

ドナーファミリーが悩み悔やむことは、助けて頂いた移植者にとっても大変苦しいことです。

ご本人の意思表示がなくともご家族の同意だけで提供できる今、『ノーの意思表示こそが本当は必要』なことを伝えたい...。

しかし、私のように恩恵を受けた者(亡くなった方やご家族の意思を受け取って元気にして頂いた者)が意思表示の大切さを伝えようとしても、どうしても臓器を提供する、イエスの意思表示を求めていると誤解を受けてしまいます。

臓器移植の恩恵を受けていない(利害関係のない)瓜生原先生と学生の皆さまが、意思表示の大切さを発信してくださることは、一般の人において一点の曇りもなくクリアです。

だから、皆さまの活動には意味があるのです。

複数のドナーファミリーのお気持ちを教えていただけた私にとって、『意思表示は愛ある遺言』だと捉えています。また、『意思表示は大切なコミュニケーション』とも捉えています。

自分に何かが起こった時、愛する家族が迷わないよう、困らないよう、揉めないように、どうして欲しいと思っているのか、日ごろから自分の気持ちを知らせておきたい。

突然愛する家族に万が一のことが起こった時、本人の希望を叶えるため、大切な家族の気持ち、本音を知っておきたい。

家族との会話が必要なのに、日本人は日頃から死について考えることを避けたり、家族と腹を割って話すことがなんだか気恥ずかしかったりして、そんな機会を避けがちです。

若く、賢く、エネルギーに溢れる、世間からは死とは無関係にも見えるSYVPの皆さまが、

意思表示の本当の価値を理解されていること、

それを知らない多くの人たちに伝えようとしてくれていること、

自分には何の得もないのに、誰かの、みんなのためになると信じ活動されていること

は、世間の人たちに対して、大切な人とコミュニケーションを取るキッカケを与える、大変貴重、かつ大きな意義のあることだと思います。

そして学生の皆さまが、ソーシャルマーケティングの手法を学び、方法を自ら考え、生き生きと活動し、成長される姿には、感動させられ、また私自身も多くを学ばせていただけます。

本当に感謝しております。

ピュアな学生さん達の活動と成長を、これからも応援しています!!!

“医療という社会”のあり方に気づかされました

吉川 美喜子 (神戸大学腎臓内科)

瓜生原研究室のSYVPの皆さんとは1期生の頃からのお付き合いです。

医療という“ちょっと特殊”な領域に暮らすわたしにとって、SYVPとの出逢いはこれまで医療者ぼけしていた私の思考をガラリとかえるビッグイベントでした。

自分のライフワークである臓器不全・移植医療を通じてのご縁です。

しかしSYVPの皆さんから気づかせていただいたのは、移植医療云々ではなく“医療という社会”のあり方でした。

SYVPが移植医療を通じて実践しているマーケティングという概念は日本の医療に馴染みが薄い。しかし今まさに必要とされるものです。

患者さんが、また我々医療を提供する側が、どうやったらベストパフォーマンスに到達できるか。プロフェッショナリズム、PDCA、KPI、顧客/従業員満足度、ジェンダーバイアス、ワークライフバランス・・・ビジネスの常識は医療の世界ではどうでしょうか。

再生医療、医療ツーリズム、AIの導入など、医療者だけでは成り立たない時代に突入しています。

“移植医療・臓器提供”という日本医療界における最難関領域を通じて医療に興味を持ってくださった瓜生原研究室SYVPの皆さんが、どんどん我々の仲間となり日本の医療発展の原動力になってくださると祈念しております。

皆さんのやる気、行動力が、高校生を進化させている!

高橋絹代(移植コーディネーター)

2015年から始まった、富山国際大学付属高校との連携。皆さんたちに刺激されて、進化が止まりません。
世の中、ソコソコで生きている人が多い中、皆さんのやる気、行動力は、高校生にも伝染したようです。
テーマは、知識の少ない人達は眉をひそめそうな、移植です。高校生の研究によると、科学リテラシーが高いほど、意思表示率は高くなるという、仮説のもと、幼児期の教材を作成するという、取り組みをしてくれています。
こうした、一つのテーマから派生する、知識、技術、行動力の獲得は、皆さんとの活動に影響されていることは間違いないと思います。
イベントに向け、障壁もでてくるでしょう。壁は乗り越えるだけでなく、壊すことも、迂回することもできます。しなやかな力とともに、成功に向けて進みましょう。
凡庸に身を置く者は、ハラハラするかもしれません。エネルギーにびっくりするかもしれません。発想に感動する者も多いと思います。
今回のチャレンジは、いい経験となって、振り返ったら、又一回り成長した皆さんを発見することと思います。
皆さんのコミニュケーション能力は、バッチグーです。楽しみましょう〜。富山からSYVPの皆さんへの応援メッセージでした。

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