【5期生への贈る言葉】
皆さん,ご卒業,誠におめでとうございます。
本日は,皆さんを社会へ送り出す記念すべき日です。卒業される皆さんを心から祝福いたします。同志社大学入学の日から,勉学と研究に励み,多くの人と関わり合い,ご自身の価値を高めるさまざまな活動を経験しながら,本日を迎えられました。その間,多くの困難があったと思いますが,それらを乗り越えてこられた,皆さんの努力と研鑽を,心から讃えたいと思います。
また,この日まで長きにわたって勉学と生活を支えてこられたご家族の方々に対しても,ここに深く敬意を表したく存じます。
さて、皆さんにお贈りしたい言葉は、心理学者ウィリアム・ジェームスの
「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」
です。
このゼミに2年半いれば、この意味は自ずと理解できると思います。
「知っている・分かっている」ことと実際に「行動する」ことの間には大きな違いがあります。困っている誰かのためのことを想うことはとても大切ですが、それを行動に起こすことがどれだけ難しいか、そしてどれだけ重要か、このゼミで実感されてきたと思います。さらに、その行動を1回きりではなく、継続することはもっと難しいことも。だからこそ、行動を継続してそれを身に着けた状態になれば、人格となって表れ、様々な偶然を必然にすることができるのです。
このゼミで最も学んでいただきたかったことは、
一人一人が行動を起こし、連鎖し、優しさにあふれた社会を形成するために、
まず、自分から行動し、継続することの大切さです。
皆さんは、新型コロナ感染症に翻弄された年代でした。就職活動が大変だっただけではなく、新しい生活様式へと行動変容を余儀無くされたと思います。自らの意思だけではなく、外的な変化で行動が大きく変わることも経験し、どの代よりも行動変容について、身をもって考える機会が多かったと思います。それをプラスに捉え、これからの社会で前向きに行動変容を実践してください。
皆さんの大好きなTanebiの「イマジン」という曲を覚えていますか?2番の歌詞の一部を読み上げます。
「将来何になる?」幾度となく書かされたよ
『何になるか』 それを聴く前に
『何をしたいか』 そう問うべきだろう
例えば『医者になる』 それはひとつの手段なんだ
『困る人を助けたい』と言えたら 迷うことなどない
涙を禁じ得ないくらいに 成し遂げたい何かが胸にあるのなら
「この指止まれ」そう声を出そう、隣にいる仲間に心を開こう
この歌詞にとても共感し、私はTanebi(当時USAGI)を知りました。
『何になるか』 ではなく、『何をしたいか』 をいつも自分に問うこと、それは、努力すれば叶う近未来の目標(dream)ではなく、一生をかけて果たしたい長期の目的『aspiration』を模索し、それに向かって人生を歩むことです。Aspirationに到達する方法は無限にあり、何度も修正していいし、人の力を借りていいのです。
今朝、投稿した4期生・渡辺かのかさんのnoteをお読みになりましたか?
彼女は、大学4年生の時に、自分の進むべき道に向き合い、aspirationを自分の力で見つけ、今、そのaspirationに向かって歩んでいます。
彼女の生き方を、意味ある卒業式の日に、皆さんに共有したくて、彼女にお願いしました。
是非、『aspiration』をもち、信念を以て様々な障壁を一つ一つのりこえ、豊かな人生を歩んでください。
最後に、瓜生原ゼミのバリューを共有したいと思います。
① ゼミを愛し誇りを持つ
② 多様性を尊重し、お互いを認める
③ 信念を持って主体的に学ぶ
④ 共に生みだし、成し遂げる
⑤ 積極的に社会に関わる
「ゼミ」をそれぞれの会社名に変えると、どこの組織でも活用できます。それは、このゼミで培ったことは、社会で十分に通用することを意味しています。これらのバリューを大切にし、仲間と歩んだ日々を糧に、これからも「多様な分野を結び付けることで、新たな価値を生みだし、社会に広め、社会を前向きに変える人財」であり続けてください。
瓜生原ゼミ、そして ”Share Your Value Project”で成長したことを誇りに思いつつ、利他的な心と俯瞰的な視野を持って、人々の幸福と持続的に発展可能な社会の実現に寄与されますことを願っております。皆さんならそれができると信じています。
最後にもう一度、感謝の言葉を申し上げたいと思います。
毎週のゼミで皆さんの笑顔に会い、目覚ましい成長を実感し、大学教員になって本当に良かったと思いました。そして、新たな気づきをたくさん与えてくださいました。私を育ててくださったのは、まぎれもなく皆さんです。 2年半、どうもありがとうございました。
2021年3月21日
瓜生原 葉子
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